北隆館

日本産テンナンショウ属図鑑 

まったく類例のないテンナンショウ属の専門図鑑!
製品情報
ジャンル・特集 図鑑・辞典
著者/編集 邑田  仁(東京大学大学院理学系研究科附属植物園教授)他
定価 本体23,000円+税
発売日 2018.03.28
判 頁 B5判・360頁
ISBN 9784832610057
概要

本書は、邑田(東京大学)が定年を迎える区切りとして、これまでの研究成果を改めて総括したらどうかと北隆館より声をかけていただき、2011 年に刊行した『日本のテンナンショウ』を拡大・発展させたものである。長年にわたり協力して研究を進めてきた大野順一氏、小林禧樹氏、東馬哲雄氏を共著者にお願いして内容の一層の充実を目指した。また、図版の説明に英語を加え、日本人以外の利用に最低限の便宜を図った。

第I章「テンナンショウ属の特徴」では、新たにサトイモ科およびテンナンショウ属の分子系統樹を収載してテンナンショウ属の進化を示したうえで、テンナンショウ属植物が示す生活史と生態、および形態と構造についてまとめた。この中には性転換という、植物には珍しい性質がある。また、土の中にあって目立たないが、著者がもっとも注目して研究してきた地下茎の特徴について詳しく述べた。共著者小林が主導してきた、発芽第1葉の形状、果実の成熟時期と種子散布などの研究成果も追加し、生活史に関する情報を充実させた。

第II章「世界のテンナンショウ属・節の分類」では第I章の基礎知識をもとにして、アフリカからアジアを経て北米まで、世界に180 種ほどがあるテンナンショウ属の系統分類について紹介する。ここではGusman & Gusman(2006)やその後に加えられた情報と,東馬が完成させた最新の分子系統解析の結果を踏まえた分類を行っている。これにより,テンナンショウ属の多様性の全貌を捉えていただくと同時に、とても多様に見える日本産テンナンショウ属のほとんどが、属内の15 のグループ(節という)のうちの一つのグループにまとまるということが理解されることを期待している。

第III章「日本産テンナンショウ属の図鑑」は、同定のための検索表と「環境省レッドリスト2017」に絶滅危惧種として収載される種類の一覧に続いて、日本産の全種類をまとめ、生態写真と記載をつけた。前書の刊行以後に発表された新分類群を含め、分子系統解析の進展に従って幾つかの分類群のランクの変更を行った結果、53 種8 亜種3 変種を認め、配列順序も改めている。生態写真は大野が撮影した写真を新たに取り入れて大幅に充実し、生育環境や地域変異などを示した。記載においては,性転換に際しての形態変化など生活史にかかわる特徴を積極的にとりあげる一方で、開花個体が示すサイズの変化がきわめて大きいことから、数値的な記述は最小限にとどめた。果実の熟期を新たに加えたが、同一種でも分布域によるずれや、年変動があることから、「夏」「秋」「秋遅く」の3 つに区分するにとどめた。

第IV章「テンナンショウ属の仲間」は、テンナンショウ属について得た知識を発展させ、近縁な他の属についても、テンナンショウ属と統一的な見方で特徴を捉えて紹介する。日本にはカラスビシャク、オオハンゲ(ハンゲ属)およびリュウキュウハンゲ(リュウキュウハンゲ属)しか自生していないが、園芸植物として外国産の植物を見る機会、あるいは海外旅行の際に現地で見かける機会も増えていると思われるので、予備知識としても役立てていただきたい(「はじめに」より)。

目次

はじめに Preface

目 次 Contents

I. テンナンショウ属の特徴  Phylogeny, life history and morphology of Arisaema

テンナンショウ属の概要

テンナンショウ属の生活史と生態

(季節性/花序と葉の展開時期のずれ/性表現/性転換は個体レベルでおこるのか/ポリネーション/フェノロジー/種子散布/雑種形成/分子系統解析/日本産種の種分化と遺伝的多様性生育場所と集団の動態)

テンナンショウ属の形態・構造の多様性

(外部形態の概要/地下茎の形状と性質/葉の種類とその位置 /腋芽/葉序/花序形成後の分枝/葉の形成過程と分裂パターン/発芽第1 葉の形状/花序柄 /花序の構成/仏炎苞の形状/雄花の形状/雌花の形状/退化花/花序付属体の形状/花粉形態/染色体数)

II.世界のテンナンショウ属・節の分類Infrageneric classification of Arisaema

テンナンショウ属・節の検索と解説

(節の検索表/Key to the sections of Arisaema/ 1. ムカシマムシグサ節 A.sect. Tenuipistillata/2. キバナテンナンショウ節A. sect. Dochafa /3. インドマムシグサ節 A. sect. Tortuosa /4. ヒマラヤテンナンショウ節 A. sect.Arisaema/5.ガボテンナンショウ節 A. sect. Fimbriata/6. ニオイマムシグサ節 A. sect. Odorata 76 /7. ミナミマムシグサ節A. sect. Attenuata/8. フデボテンナンショウ節 A. sect. Anomala /9. ウラシマソウ節 A. sect.Flagellarisaema /10. アマミテンナンショウ節 A. sect. Clavata 84 /11. テンナンショウ節 A. sect. Nepenthoidea /12. ユキミテンナンショウ節 A. sect.Decipientia /13. ウンナンマムシグサ節 A. sect. Franchetiana 87/14. クルマバテンナンショウ節 A. sect. Sinarisaema /15. マムシグサ節 A. sect. Pistillata)

III.日本産テンナンショウ属の図鑑  Enumeration of Arisaema in Japan

日本産テンナンショウ属全種の検索表 Key to the species of Arisaema in Japan

環境省レッドリスト2017 に記載のテンナンショウ属

(ウラシマソウ節 A. sect. Flagellarisaema)
1. マイヅルテンナンショウ A. heterophyllum
2a. ナンゴクウラシマソウ A. thunbergii subsp. thunbergii
2b. ウラシマソウ A. thunbergii subsp. urashima
3. ヒメウラシマソウ A. kiushianum
(アマミテンナンショウ節 A. sect. Clavata)
4. シマテンナンショウ A. negishii
5a. アマミテンナンショウ A. heterocephalum subsp. heterocephalum
5b. オキナワテンナンショウ A. heterocephalum subsp. okinawaense
5c. オオアマミテンナンショウ A. heterocephalum subsp. majus
(マムシグサ節 A. sect. Pistillata)
6. ミツバテンナンショウ A. ternatipartitum
7. ムサシアブミ A. ringens
8. カラフトヒロハテンナンショウ A. sachalinense
9. ヒロハテンナンショウ A. ovale
10. イナヒロハテンナンショウ A. inaense
11. ナギヒロハテンナンショウ A. nagiense
12a. ユモトマムシグサ A. nikoense subsp. nikoense var. nikoense
12b. ヤマナシテンナンショウ A. nikoense subsp. nikoense var. kaimontanum
12c. オオミネテンナンショウ A. nikoense subsp. australe
12d. カミコウチテンナンショウ A. nikoense subsp. brevicollum
12e. ハリノキテンナンショウ A. nikoense subsp. alpicola
13. シコクヒロハテンナンショウ A. longipedunculatum
14. イシヅチテンナンショウ A. ishizuchiense
15. オガタテンナンショウ A. ogatae
16. オドリコテンナンショウ A. aprile
17. アマギテンナンショウ A. kuratae
18. ユキモチソウ A. sikokianum
19. キリシマテンナンショウ A. sazensoo
20. ヒュウガヒロハテンナンショウ A. minamitanii
21. キシダマムシグサ A. kishidae
22. セッピコテンナンショウ A. seppikoense
23. ホロテンナンショウ A. cucullatum
24. タカハシテンナンショウ A. nambae
25. ハリママムシグサ A. minus
26a. ナガバマムシグサ A. undulatifolium subsp. undulatifolium
26b. ウワジマテンナンショウ A. undulatifolium subsp. uwajimense
27. ヒガンマムシグサ A. aequinoctiale
28. ミミガタテンナンショウ A. limbatum
29. ハチジョウテンナンショウ A. hatizyoense
30. トクノシマテンナンショウ A. kawashimae
31. ツクシマムシグサ A. maximowiczii
32. タシロテンナンショウ A. tashiroi
33a. ミヤママムシグサ A. pseudoangustatum var. pseudoangustatum
33b. スズカマムシグサ A. pseudoangustatum var. suzukaense
33c. アマギミヤママムシグサ A. pseudoangustatum var. amagiense
34. ムロウテンナンショウ A. yamatense
35. ホソバテンナンショウ A. angustatum
36. ウメガシマテンナンショウ A. maekawae
37a. オモゴウテンナンショウ A. iyoanum subsp. iyoanum
37b. シコクテンナンショウ A. iyoanum subsp. nakaianum
38. アオテンナンショウ A. tosaense
39. ツルギテンナンショウ A. abei
40. マムシグサ A. japonicum
41. ヒトヨシテンナンショウ A. mayebarae
42. ヒトツバテンナンショウ A. monophyllum
43. スルガテンナンショウ A. sugimotoi
44. カントウマムシグサ A. serratum
45. ヤマジノテンナンショウ A. solenochlamys
46. ミクニテンナンショウ A. planilaminum
47. オオマムシグサ A. takedae
48. ヤマトテンナンショウ A. longilaminum
49. ヤマグチテンナンショウ A. suwoense
50. ヤマザトマムシグサ A. galeiforme
51. エヒメテンナンショウ A. ehimense
52. コウライテンナンショウ A. peninsulae
53. ウンゼンマムシグサ A. unzenense

IV.テンナンショウ属の仲間 Allied genera

近縁属の分類

(テンナンショウ属に近縁な属の検索表/Key to the genera allied toArisaema)

近縁属の特徴

(1. ハンゲ属 Pinellia / 2. エミニウム属 Eminium / 3. リュウキュウハンゲ属 Typhonium /4. セリオフォヌム属Theriophonum /5. ヒルスティアルム属Hirsutiarum 323/6. サウロマツム属Sauromatum /7. ヘリコディケロス属 Helicodiceros /8. ドラクンクルス属Dracunculus/9. ビアルム属Biarum/10. アルム属 Arum/11. ディベルシアルム属 Diversiarum/12. ペダティフォニウム属 Pedatyphonium)

文献References

欧文文献

和文文献

索引Index

和名索引

学名索引 Index to scientific names

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