考古調査ハンドブック⑱ 古瓦の考古学
ジャンル・特集 | 考古調査ハンドブック |
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著者/編集 | 有吉重蔵(国士舘大学文学部講師) |
定価 | 3,300円(本体3,000円+税) |
発売日 | 2018.03.28 |
判 頁 | A5判・並製・300頁 |
ISBN | 978-4-8216-0530-9 |
本書は、考古学の重要な資料である瓦の基礎知識から最新の研究成果を第一線の研究者が紹介します。近年の多くの発掘調査を踏まえ、古代(飛鳥・白鳳期)から近世の瓦に至る様式の変遷を詳述する他、琉球や朝鮮三国の瓦にも章を割きます。さらに最新の研究成果として、武蔵国分寺瓦の研究、東国間における地域間交流についても詳述します。
目次
刊行に寄せて
目 次
はじめに
Ⅰ.瓦の基礎知識(有吉重蔵)
1 瓦の種類
基本となる瓦/道具瓦
2 瓦の名称
3 瓦のふるさと
中国の瓦
4 瓦研究の目的と方法
瓦研究の目的/瓦の型式分類と留意点
5 瓦研究の主要課題
文字瓦の研究
Ⅱ.古代の瓦作りと生産(河野一也)
1 古代瓦を読み解く
2 瓦の観察からわかる瓦作り
胎土/焼成/男瓦/女瓦/鐙瓦/宇瓦
3 瓦窯の構造
その他の瓦焼成窯
Ⅲ.瓦の変遷と特徴
1 古代の瓦 飛鳥・白鳳期(藤木 海)
飛鳥期における瓦作りと瓦工/白鳳期における革新と地方への展開/初期の瓦生産体制
2 古代の瓦 奈良・平安期(大橋泰夫)
多様な瓦当文様の展開/製作技法の変遷と特徴/都城と地方の関係 ―平城宮式瓦の広がり―/官寺・官衙の瓦生産/瓦と荘厳化政策/瓦工房の検討/今後の瓦研究
3 中世の瓦(原 廣志・比毛君男)
研究史的回顧/中世瓦の変遷 ―中世都市鎌倉と東日本の様相を中心に―/中世瓦の特徴/生産と廃棄との関連/諸史料にみる中世瓦
4 近世の瓦(近藤真佐夫)
近世瓦の沿革/多様化する近世の瓦/時代ごとの様相/瓦の調達
5 琉球の瓦(長嶺 操)
古琉球の瓦と出土遺跡/瓦から見た古琉球/浦添城跡の高麗系瓦/崎山御嶽の大和系瓦/近世琉球の瓦/近・現代の瓦/瓦に関する事項
6 朝鮮三国の瓦(酒井清治)
東アジアの瓦/高句麗の瓦/百済の瓦/新羅の瓦/朝鮮三国瓦・中国南朝瓦の日本への影響
Ⅳ.瓦研究の課題と方法
1 武蔵国分寺瓦の研究(有吉重蔵)
国分寺瓦研究の意義/国分寺の構造と変遷/国分寺瓦の変遷/瓦から見た国分寺の諸相
2 陸奥国古瓦の系譜と東国(眞保昌弘)
瓦からみる陸奥国の歴史的位置/有稜素弁8葉蓮花文鐙瓦/山田寺系単弁8葉蓮花文鐙瓦/山王廃寺系複弁7,8葉蓮花文鐙瓦/川原寺系複弁 6 葉蓮花文鐙瓦/多賀城系重弁8葉蓮花文鐙瓦(多賀城様式)/陸奥国古瓦の様相と中央集権的国家の展開
おわりに