考古調査ハンドブック⑯ 土器編年と集落構造
ジャンル・特集 | 考古調査ハンドブック |
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著者/編集 | 福田 健司(元東京都教育庁学芸員) |
定価 | 3,630円(本体3,300円+税) |
発売日 | 2017.05.25 |
判 頁 | A5判・並製・310頁 |
ISBN | 978-4-8216-0528-6 |
本書は、4世紀末~14世紀初頭まで960年の長きにわたり存続した集落「落川・一の宮遺跡」(東京都日野市から多摩市)の調査に、東京都教育庁学芸員として長年携わってきた筆者が、調査を通じて土器編年を突き詰めた結果見つけ出した、「土器から何がわかるか?」という問い掛けの具体的な答えになっています。
目次
口絵:土器編年と集落構造:乗越遺跡・東山浦遺跡
Ⅰ.土器の製作と焼成方法
①須恵器
1.須恵器と土師器の違い
2.文献に記載された「轆轤」
3.「轆轤」と「ロクロ」
4.須恵坏と土師坏の製作方法
5.須恵坏の製作方法
6.須恵器の焼成方法
7.「酸化焔」と「還元焔」
8.瓦と須恵器の焼成方法
1)加水燻焼還元焼成法 25 / 2)古代窯の焼成実験 27 / 3)東大寺造瓦所の焼瓦 32
9.須恵器の色調
10.「窖窯」での焼成方法
②土師器
1.土師坏の製作方法
2.土師器の焼成方法
3.「覆い焼き」
③須恵系土師質土器
1.須恵系土師質土器
2.あかやき土器(須恵系土器)
3.平底盤状坏
4.赤焼き須恵器(草刈型土器)
5.ロクロ土師器・回転台土師器・模倣系土器
6.比企型坏
7.土器の焼成温度分析
8.須恵系土師質土器の焼成方法
④木器
1.日常食器と祭器(神器・仏器)
Ⅱ.土器編年
①落川・一の宮遺跡土器編年の年代幅
②南多摩窯址群の窯式設定過程と問題点
③落川・一の宮遺跡各段階の型式・窯式名と想定実年代
④第3 段階~第30 段階の型式・窯式と想定実年代
⑤土器編年と実年代根拠
第18 段階(710 ~ 730 年)の実年代根拠
第19 段階(730 ~ 750 年)の実年代根拠
第21 段階(770 ~ 790 年)の実年代根拠
第23 段階(830 ~ 850 年)・第24 段階(850 ~ 870 年)の実年代根拠
第29 段階(930 ~ 950 年)の実年代根拠
⑥糸切り技法の変遷
⑦落川・一の宮遺跡第18 段階以降の窯式と土器内容
第18 段階(710 ~ 730 年)の窯式と土器内容
第19 段階(730 ~ 750 年)の窯式と土器内容
第20 段階(750 ~ 770 年)の窯式と土器内容
第21 段階(770 ~ 790 年)の窯式と土器内容
第22 段階(790 ~ 810 年)の窯式と土器内容
第23 段階(810 ~ 830 年)の窯式と土器内容
第24 段階(830 ~ 850 年)の窯式と土器内容
第25 段階(850 ~ 870 年)の窯式と土器内容
第26 段階(870 ~ 890 年)の窯式と土器内容
第27 段階(890 ~ 910 年)の窯式と土器内容
第28 段階(910 ~ 930 年)の窯式と土器内容
第29 段階(930 ~ 950 年)の窯式と土器内容
第30 段階(950 ~ 970 年)の窯式と土器内容
⑧須恵器生産終了後(窯式無き後)段階の土器内容
第31 段階(970 ~ 990 年)の土器内容
第32 段階(990 ~ 1010 年)の土器内容
第33 段階(1010 ~ 1030 年)の土器内容
第34 段階(1030 ~ 1050 年)の土器内容
第35 段階(1050 ~ 1070 年)の土器内容
第36 段階(1070 ~ 1090 年)の土器内容
第37 段階(1090 ~ 1110 年)の土器内容
第38 段階(1110 ~ 1130 年)の土器内容
第39 段階(1130 ~ 1150 年)の土器内容
⑨竪穴建物の変遷
⑩掘立柱建物の変遷
1.第40 段階(1150~ 1170年)~第48 段階(1320~ 1330年)
Ⅲ.集落構造 276
①竪穴建物面積と居住人員算出法
1.竪穴建物
2.竪穴建物の居住人員算出法
3.五領遺跡の竪穴建物と居住人員
4.東山浦遺跡の竪穴建物と居住人員
5.一戸の竪穴建物数の面積と居住人数
②太寶2 年御野国戸籍記載の半布里の故地東山浦遺跡
1.半布里の竪穴建物数と居住人員の考察
2.半布里の「里刀自」について
③律令集落の園宅地
④落川・一の宮遺跡の集落形成から終焉までの変遷
1.落川・一の宮遺跡の立地と調査経緯
2.周辺遺跡
4.都住A ~ D 地区の血縁同居単位集団の形成から武士団屋敷への発展背景
5.都住A ~ D 地区の武士団屋敷の内容
6.武士団の滅亡過程とその動因
7.都道A・C 地区の血縁同居単位集団の形成と展開
8.都道C 地区第24・25 段階の建物群と出土遺物
9.建物群の観点
10.出土遺物の観点
11.都道A・C 地区血縁同居単位集団の滅びた動因
12.都道D ~ F 地区の血縁同居単位集団
13.都道E 地区第45・46 段階(1250 ~ 1290 年)の施設
14.都道D ~ F 地区の滅びた動因
15.落川・一の宮遺跡の形成・展開・終焉
Ⅳ.落川・一の宮遺跡居住集団の出自と生業
①火熨斗
②墨書土器「塒穴」
③磨痕石
④小野牧と牛馬の解体
⑤磨痕石の用途
⑥落川・一の宮遺跡と渡来系職能集団
付録:落川・一の宮遺跡の各段階の「窯式・型式・検出遺構・遺物」と「歴史年表・文献」対照表
あとがき