北隆館

考古調査ハンドブック㉒ 埴輪

埴輪研究の研究法と解釈法を凝縮した第一人者によるハンドブック!
製品情報
ジャンル・特集 考古調査ハンドブック
著者/編集 若松良一(前埼玉県教育委員会学芸員)
定価 3,300円(本体3,000円+税)
発売日 2021.11.22
判 頁 A5判・並製・245頁
ISBN 9784821605347
概要

埴輪は日本独自の素焼き土器です。古墳の墳丘や造出の上に配置され、そのユニークで多様な形象は、古墳時代の豊かな情報を現代に提供してくれます。著者は、埼玉古墳群の調査と整備事業に携わり、埼玉古墳群全体の円筒埴輪編年に尽力した他、学芸員として、関東地方の全県と近畿地方の珍しい埴輪を調査し知見を蓄え、埴輪の斬新な意味、解釈を提示しました。本書は、埴輪研究40年に及ぶ第一人者が、研究法と解釈法の基礎を分かりやすく解説しています。

「筆者の考古学は9歳の時、小林茂先生の秩父での発掘調査への参加に始まったが、埴輪研究へ深入りする契機は、大学院へ進んだ頃、通学途上の麦畑で人物埴輪の腕や円筒埴輪片を採集したことに始まる。間もなく道路を掘削して水道管埋設工事が行われた際には、真っ赤に焼けた埴輪窯の断面が現れ、そこから頭を出していた巫女の人物埴輪と円筒埴輪を採集して、鴻巣市の教育委員会に届けた。つまり、筆者がこの遺跡の第一発見者となったのである。のちにこの地に県の施設が建つことになり、事前の発掘調査に参加した遺跡からは、まさしく地下式の埴輪窯跡が多数発見され、おびただしい数の埴輪片が出土した。生出塚埴輪窯跡(おいねづかはにわかまあと)と命名されたが、その後の累次調査によって、合計48基の埴輪窯跡が検出され、現在知られる限りでは日本一の規模となった」(「「自序 ~読者の皆様へ~」から)

目次

自序
第1部 円筒埴輪の研究
第1章 円筒埴輪の研究史
第2章 円筒埴輪の調査と成果の利用
-埼玉県東松山市諏訪山33号墳の報告書から-
第3章 古墳群の円筒埴輪の連続編年とその成果
-埼玉古墳群の円筒埴輪 稲荷山古墳の埴輪と提起される問題-
第4章 円筒埴輪と古代の日韓関係
-日本最後の埴輪 逆輸入された埼玉中の山古墳の特殊な埴輪-
註と引用文献
第2部 形象埴輪の研究-人物・動物埴輪-
第1章 研究法と解釈法
第2章 人物埴輪の種類と編年
第3章 動物埴輪の種類と編年
第4章 人物埴輪の衣服の特殊表現から解釈を試みる
-左衽と右衽 巫女と武人の襟合わせの違いから-
第5章 狩猟を再現した動物埴輪から解釈を試みる
「猪鹿埴輪論」
第6章 いわゆる力士埴輪から解釈を試みる
-相撲人埴輪と隼人 鎮魂の芸能者 相撲人-
第7章 前方後円墳の埴輪体系を把握する
-井辺八幡山古墳の形象体系とその解釈-
第8章 総括
-埴輪と木製品からみた葬送儀礼-
註と引用文献

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