北隆館

環境Eco選書⑮ チョウの行動生態学

チョウの幼虫から成虫に至る行動の驚きの生態と解釈・理論を紹介!
製品情報
ジャンル・特集 環境Eco選書
著者/編集 井出純哉(久留米工業大学)編
定価 3,630円(本体3,300円+税)
発売日 2022.03.25
判 頁 A5判・並製・334頁
ISBN 9784832607651
概要

行動生態学は、動物の行動がもつ生存と繁殖における機能を研究します。その艶やかな姿でチョウは人の注意を惹くと同時に、昆虫には珍しく昼間に活動するために行動生態学の研究に多くの素材を提供して来ました。とくに求愛行動が含まれる配偶行動は、驚きの発見に満ちています。

本書では、第一線の研究者たちが、チョウの幼虫から成虫に至る行動の興味深い生態の事例と解釈・理論を分かりやすく紹介します。また同一種内の生態ばかりでなく、チョウの食害に対する植物の反応、鹿の植物採食に対するチョウの応答等、「種間相互作用」の興味深い先進的な事例も紹介します。

目次

はじめに(井出純哉)

総論

蝶の行動生態学への招待(井出純哉)

Ⅰ.幼虫の行動

ある種のチョウの幼虫がもつ頭部突起の役割(香取郁夫)
アカタテハの巣作り行動(井出純哉)

Ⅱ.成虫の行動

シロオビアゲハの行動擬態と翅模様の光学的性質(来田村 輔・近藤勇介)
チョウの訪花行動に対する捕食者と他のチョウの影響
~多摩動物公園での大量データをもとに~(田中陽介・深野祐也)
アゲハチョウの交尾をつかさどる化学シグナル(大村 尚)
アサギマダラの生態とその特異な配偶システム(本田計一)
ベニシジミの配偶行動:雌雄双方の立場から(井出純哉)
ヤマトシジミの追跡観察:環境指標生物としてのチョウ(檜山充樹)

Ⅲ.生活史

キタキチョウの越冬前交尾とオスの生活史の多型(小長谷達郎)
イネ科植物を食草とするウラナミジャノメ属における食性と化性の進化(鈴木紀之)
草原性チョウ類の生活史特性と分布様式から考える日本の草原の本質(大脇 淳)

Ⅳ.種間相互作用

ムラサキシジミ類によるアリ植物の利用(清水加耶・市岡孝朗)
ゴマシジミの食害に対する食草の補償反応(内田葉子・大原 雅)
寄主植物の量と質を介したシカとジャコウアゲハの間接相互作用(高木 俊)
シカ-イラクサ-アカタテハの進化的相互作用(佐藤宏明・甲山哲生)
モンシロチョウ属の繁殖干渉(大秦正揚)

Ⅴ.科学哲学

チョウの行動生態学における前提に関する諸問題(竹内 剛)

索 引
和名索引・学名索引

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