環境Eco選書④ 地球温暖化と南方性害虫
ジャンル・特集 | 環境Eco選書 |
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著者/編集 | 積木久明(元岡山大学資源生物科学研究所) |
定価 | 3,300円(本体3,000円+税) |
発売日 | 2011.09.23 |
判 頁 | A5判・並製・244頁 |
ISBN | 978-4-8326-0724-8 |
「近年海外から日本に侵入したと思われる熱帯や亜熱帯原産である南方性害虫による被害が,各地で大きな問題となっている・・・たとえ日本に侵入できたとしても,冬季の厳しい低温に耐えられず定着できなかったと思われるこれらの害虫の多くが,温暖化にともなって,定着が可能に・・・さらに,以前は西南暖地にしか生息できなかった南方性害虫が,最近になって急速に北部に分布域を拡大しつつあり,このことがさらに問題を大きくしている。・・・ そこで,本書では先の害虫を含め,さらに多くの南方性害虫の日本での生息の現状,生物環境や農作物等に及ぼす被害状況,温暖化にともなう今後の北部への分布拡大の可能性,生活史の変化等を取り上げ,近い将来起こるであろう種々の問題点について考える機会を提供することを意図して企画した(「はじめに」より)」。
目次
●序:温暖化と南方性害虫の生活史と耐寒性(積木久明)
●Ⅰ-1.フタテンチビヨコバイとワラビー萎縮症(松倉啓一郎・松村正哉)/2.ミカンキジラミの食性,耐寒性と分布(芦原 亘)/3.近年侵入したグンバイムシ3種の分布拡大(加藤敦史)/4.熱帯由来アメンボ類の越冬と飛翔時期(中尾史郎)/5.地球温暖化とミバエ類の再侵入リスク(榊原充隆)/6.ムラサキツバメの分布拡大と生活史(井上大成)/7.イチジクヒトリモドキの分布拡大と休眠性(平井規央)
●Ⅱ-1.ミナミキイロアザミウマ:加温施設で温暖化の先取り(河合 章)/2.タバココナジラミバイオタイプBとQの日本における野外越冬の可能性(飯田博之)/3.珍種から大害虫になった亜熱帯コガネムシ:二つの休眠の進化とその意義(田中誠二)/4.秋に発生するカミキリムシ(新谷喜紀)/5.特殊害虫アリモドキゾウムシの世界的拡散と耐寒性(杉本 毅・川村清久・木村俊彦)/6.オオタバコガの耐寒性に及ぼす休眠誘導の違い(泉 洋平)
●Ⅲ-1.海を越えて飛来する長距離移動性水稲害虫(松村正哉)/2.侵入害虫キムネクロナガハムシの生態と分布拡大(高須啓志・高野俊一郎)/3.ハモグリバエ類の生活史と地理的分布(德丸 晋)/4.熱帯から温帯に生息するニカメイガの生活史と耐寒性の地理的変異(積木久明)/5.アワノメイガおよび近縁2種メイガの休眠と耐寒性の地域変異(後藤三千代)/6.オオタバコガの季節適応における地理的変異(清水 健)