我が思ひ出 牧野富太郎〈遺稿〉
ジャンル・特集 | 専門書(北隆館) |
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著者/編集 | 牧野富太郎 |
定価 | 1,320円(本体1,200円+税) |
発売日 | 2022.09.20 |
判 頁 | B6判・並製・338頁 |
ISBN | 978-4-8326-1014-9 |
植物を愛し愛され植物と共に生き、その研究に身を捧げた牧野富太郎博士。その生涯を彩った草花を巡る、博士の記憶が随筆集として蘇る―。
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本書は、昭和三十一年一月に北隆館において出版した『牧野植物一家言』の姉妹篇ともいうべきもので、牧野博士が昭和三十二年一月、九十五才で逝去されるまでに書きためられた、植物及び博士の思い出についての遺稿をまとめたものである。生涯のすべてを、植物の研究に捧げてやまなかった博士晩年の尽きることない熱情を、紙面より汲みとって下さる様、切に希ってやまない。現在では、新仮名遣いが常識であるが、本書に於ては、牧野博士の遺稿を生かす意味で、あえて旧仮名遣いを使用した。なお、本書の原稿整理並びに校正には、牧野鶴代氏及び久内清孝氏が当られた。両氏には深く敬意を表する次第である(「はしがき」より)。
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【緋車ダリア】
此緋車ダリアは、始めて私の附けた和名であるが、其れ迄は敢て、其特称は無つた、私は此緋車ダリアを、土佐、高岡郡、佐川町の東光寺で、始めて見た、そして、其れが今から、大分前の明治初年で在った、其後、幸にも、此ダリアを、薩州北部の或る村で、見付け、其根を貰つて来て、植えたのが、今日、我が庭で、花が咲いて居る者で在る、そして其学名を、Dahlia coccinea Cavanier と謂はれる、そして、今日、他には何処にも、見られ無いダリアで在る(本文より一部抜粋)。