ナルキッソスの怒り
ジャンル・特集 | 専門書(北隆館) |
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著者/編集 | セルヒオ・ブランコ(作) 仮屋浩子(訳) |
定価 | 1,650円(本体1,500円+税) |
発売日 | 2022.06.17 |
判 頁 | B6判・並製・123頁 |
ISBN | 978-4-8326-1032-3 |
★現代ラテンアメリカ文学を代表する劇作家セルヒオ・ブランコ待望の邦訳第2作‼
★2021年オフ・ウエストエンド(ロンドン)新作賞受賞‼
【本書の内容】大学で教鞭をとり、作家でもあるセルヒオ。彼は、学会に出席するためスロベニアの首都リュブリャナを訪れる。そこで、イゴールという美しい青年と知り合い、彼との情事に溺れていく。そして、滞在先の部屋で発見した数々の染み―。この2つの事象が、セルヒオを戦慄の真実へと導いていく! 2021年にオフ・ウエストエンド新作賞(ロンドン)を受賞。『テーバスランド』(2019年北隆館刊行)に続く、待望の邦訳第2作である。本作で語られるギリシャ神話に出てくるナルキッソスとその眼差しについての、著者セルヒオ独自の詩学。「ナルキッソスの眼差しとは、自分自身への眼差しでありながら、他者を探求するものである」。自分とは他者の眼差しを通して存在する。自分を見つめる時に、他者からの問いかけが常にある。自分自身への探求を通して、他者との関りをもつ。つまり、新たな他者に出会うのだ。そして、本作は著者セルヒオ・ブランコが織りなす、リアルと虚構が交差する世界(オートフィクション)を、最後の頁までスリリングに堪能するものとなっている。一度読みだしたら、その緻密で怪奇な世界に酔わされてしまう-(編集部より)。
【著者の紹介‐セルヒオ・ブランコ】
1971年12月30日モンテビデオ(ウルグアイ)生まれ。大学で文献学、演劇学を専攻。1993年にフランスのコメディーフランセーズにて演出論を学ぶ。1998年以降はパリを拠点に主に劇作家として活動。戯曲は国民演劇賞(ウルグアイ)、フロレンシオ最優秀劇作家(ウルグアイ)、カサ・デ・ラス・アメリカス戯曲部門特別賞(キューバ)、最優秀戯曲賞(ギリシャ)など様々な賞を受賞している。また2017年には『テーバスランド』がオフ・ウエストエンド新作賞を受賞。代表作は『殺戮‐Slaughter』『カサンドラ』『ダーウィンのジャンプ』『テーバスランド』『オスティア』『ナルキッソスの怒り』『デュッセルドルフの唸り』『トラフィコ』『COVID‐451』『神聖な発明』など。作品は二十カ国以上で出版、舞台上演されている。三月に新作『Zoo』をミラノのピッコロ劇場にて初演。
【訳者の紹介‐仮屋浩子(明治大学教員・Raíces Teatro主宰)】
スペイン語圏演劇の研究をする傍ら、スペイン語戯曲の翻訳、上演を手掛ける。近年は、2018年、アリスティデス・バルガス作『雲の上の聖母』を原語で上演(共同演出・主演)、翌年2019年同劇作家の『プラムの熟すとき』を日本初演(翻訳・集団創作・出演)。同年にセルヒオ・ブランコ作『テーバスランド』を北隆館より刊行。2020年DAYAによるパフォーマンス『パサレラ~小夜鳴き鳥の声がする』共同演出、出演。