2018.06.28
月刊雑誌「細胞」が50周年を迎えました。50周年記念号の4月号に2018年度ノーベル医学生理学賞を受賞しました本庶 佑 先生(京都大学高等研究院 特別教授)の特別寄稿「想定外の発見が科学を動かす」を掲載してます。
ニューサイエンス社発刊の月刊雑誌「細胞」が50周年を迎えるにあたり,長年月刊「細胞」編集顧問をお勤め頂いている京都大学高等研究院 特別教授 本庶 佑 先生の特別寄稿を掲載いたしております。
…特別寄稿より冒頭を抜粋
「月刊誌「細胞」が創刊されて50周年を迎えられましたこと,心からお祝い申し上げます。50年前と言えば私は大学院に入りたての意気軒昂な研究者の卵でありました。当時の生命科学の知識といえば,身体中に色々な細胞があり,それぞれが様々な代謝経路を持っているという程度のものでありました。遺伝情報の解析はそれから数十年経ってようやく可能になったのです。全ゲノム解読により膨大な遺伝子の数とそれを制御する重層的な仕組みとが存在することが明らかになりました。細胞の分類も以前はリンパ球は皆同じ免疫細胞であり,セロトニン系ニューロンとは皆同じといった考えでありました。しかし,今ではリンパ球ひとつひとつがそれぞれ違う遺伝子発現をしており,全て別々の細胞と考えられるようになってきました。(以下略)」